まきでら長谷寺 仁王像修復

仁王像before-after 3DPrint
まきでら長谷寺仁王像before-after

仁王像 before after

 2020年、よしだ造佛所様からお声をかけていただき、まきでら長谷寺の修復前の仁王像を3Dスキャンし、データ化させていただいたことから始まりました。
 2m超えの仁王像を初めて間近で見て、スキャンできるかな?という思いが正直なところでした。
修復前の仁王像は、長い月日風雨にさらされ腕が外れていたり、足が朽ちていたりして損傷が激しかった。
まきでら長谷寺の仁王像は鎌倉~室町時代に造られたと考えられてるようです。
筋肉だけではなく血管などの細部も表現されており、人体の構造が解ってないと表現できないのでは?と思いました。
この時代にこのような表現をされる方がおられたことに驚きです。
そんなことを考えながらスキャンし、何とか1日で阿形、吽形の2体をスキャンすることができました。
スキャンした点群データを持ち帰り、データ修正を行い3Dデータとして記録(保存)することができました。
 修理がスタートし、解体されると以前の仁王像のお姿は見ることができなくなります。
3Dデータとして記録(保存)できれば必要な時に確認することができます。
また、3Dプリンタで造形することでカタチにすることができます(再現)。

 吉田仏師が修復する4年間で何度か訪問させていただき、修復の状況や当時使われていた道具なども見せていただきました。
初めて聞く言葉、初めて見る道具、日頃お寺や仏像に馴染みのない私にとっては全てが学びの場でありました。
 そして4年後の2024年、修復後の仁王像を3Dスキャンさせていただき、データ化から3Dプリンタで造形をさせていただきました。
外れていた腕や破損していた頭部、朽ちていた足が修復され天衣もついてました。
一見、どこを修復したのかと思ってしまうくらい本来のお姿を保っていました。
ただ1か所気づいたのは仁王像の足の指でした。
吉田仏師が修復した足の指は、大地を踏み締めているような指先でより力強さを感じました。

 時代とともに道具は移り変わっていくものですが、あえて変えずに使い続ける道具へのこだわり、そして修復しても原形を損なわないという吉田仏師の想いが感じられます。

 次の修復はいつ? 150年後?わからないですが、携わる方々が3Dデータや3Dプリンタで造形した仁王像を見る日がくるのかな?ちょっと見てみたいような 笑
 地域にはさまざまな文化財が存在します。後世に継承していけるような取り組みを今後も続けていきたいと思います。
3Dデータや3Dプリンタで再現された文化財に触れて、誰もが歴史に興味を持っていただける、そして文化財を身近に感じるきっかけになればと思います。

※ 本稿の内容は、あくまで私個人の感想・見解に基づくものです。

before 仁王像 足
after 仁王像 足
before 仁王像
after 吽
after 阿形

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